生誕120年 人間国宝 黒田辰秋 木と漆と螺鈿の旅

京都で漆工芸を生業とする家系に生まれ

分業制だった漆産業を一貫して製作を行い

1970年、昭和45年に無形文化財保持者(人間国宝)に認定された

黒田辰秋さんの美術展へ行ってきました

 

リーフレットに「生命感あふれる独自の創作活動」と

説明紹介があったのですがまさしくその通りだと感じました

展示されていた数々の作品の中で

欲しい!!と激しく思った作品がありました

それは、、木製のマッチ箱ケース、です

形態はマッチ箱にそのまま被せるような木製ケースだったのですが

マッチ箱の審美にもこだわるなんてお洒落なんだ、と感激したのでありました

 

木漆作品でとても印象的だったことがありました

中国や韓国でよく用いられている

吉祥結びのモチーフがあしらわれている作品が多かったのです

京都ご出身なのに吉祥結びのデザインが多いのは

なぜだろうと思って経歴を見てみましたら

満州へ講師として派遣されていた、とのことでしたので納得でした

それらの吉祥結びに合わせてだったのでしょうか、

漆の色も日本の朱とはまた違っていて異国を感じた作品でした

螺鈿細工は継ぎ目は一体どこなのかわからない面で

虹色に輝く螺鈿はため息まじりの美しさでした

 

そしてまた、鍵善良房さんのくずきりの器は

黒田辰秋さんが製作なさっていたのとことで

どうりでかわいいと思ったわけだ、と合点がいきました