
京都で漆工芸を生業とする家系に生まれ
分業制だった漆産業を一貫して製作を行い
1970年、昭和45年に無形文化財保持者(人間国宝)に認定された
黒田辰秋さんの美術展へ行ってきました
リーフレットに「生命感あふれる独自の創作活動」と
説明紹介があったのですがまさしくその通りだと感じました
展示されていた数々の作品の中で
欲しい!!と激しく思った作品がありました
それは、、木製のマッチ箱ケース、です
形態はマッチ箱にそのまま被せるような木製ケースだったのですが
マッチ箱の審美にもこだわるなんてお洒落なんだ、と感激したのでありました
木漆作品でとても印象的だったことがありました
中国や韓国でよく用いられている
吉祥結びのモチーフがあしらわれている作品が多かったのです
京都ご出身なのに吉祥結びのデザインが多いのは
なぜだろうと思って経歴を見てみましたら
満州へ講師として派遣されていた、とのことでしたので納得でした
それらの吉祥結びに合わせてだったのでしょうか、
漆の色も日本の朱とはまた違っていて異国を感じた作品でした
螺鈿細工は継ぎ目は一体どこなのかわからない面で
虹色に輝く螺鈿はため息まじりの美しさでした
そしてまた、鍵善良房さんのくずきりの器は
黒田辰秋さんが製作なさっていたのとことで
どうりでかわいいと思ったわけだ、と合点がいきました